肝斑とは
肝斑とは
肝斑（Melasma）は、顔に現れる色素沈着の一つで、主に頬骨のあたりに左右対称の茶色い斑点が現れる症状です。これらの斑点は、紫外線、ホルモンバランスの変化、遺伝的な要因などが影響し、特に女性に多く見られます。肝斑は、良性の皮膚疾患であり、健康に直接的な問題を引き起こすことはありませんが、美容的に気になる場合が多く、治療を希望する方も多いです。
肝斑は、顔の中央部に現れやすく、主に額、両頬、鼻の周り、顎に広がることが多いです。紫外線に敏感な部位に現れ、時間が経つにつれて広がったり、色が濃くなったりすることがあります。
肝斑とシミの違い
肝斑とシミの違い
肝斑とシミは、見た目が似ていますが、発生の原因や治療方法に大きな違いがあります。
肝斑とシミの違いや見分け方
肝斑
・左右対称
・ぼやけた輪郭
シミ（老人性色素斑）
・左右非対称
・輪郭がはっきり
主に女性ホルモンの影響や、紫外線によって引き起こされます。特に妊娠やピル使用中、または加齢に伴うホルモンの変化が原因となることが多いです。肝斑は通常、左右対称に現れ、顔の中央部分に現れるのが特徴です。
シミは、主に紫外線の影響や、加齢、遺伝などが原因で、メラニン色素が集中的に生成されることにより発生します。シミは、肝斑とは異なり、顔のどこにでも現れることがあります。
肝斑の原因
肝斑の原因
肝斑（Melasma）は、主に以下の要因によって発生します。これらの要因が複合的に作用することで、肝斑が現れることが多く、その治療にはこれらの原因を理解することが重要です。
①紫外線（UV）
紫外線（UV）は、肝斑の発生において最も重要な外的要因です。紫外線は、皮膚の表面に存在するメラノサイト（色素細胞）を刺激し、メラニン色素の生成を促進します。特に、UV-A（長波長紫外線）は皮膚の深層まで届き、メラノサイトを活性化させるため、肝斑を引き起こしやすいです。
紫外線を浴びると、皮膚内で生成されたメラニンはシミや肝斑となって現れ、特に顔の中心部に目立つことが多くなります。紫外線によるダメージは、メラニン生成を促進し、その結果、肝斑の色素沈着が起こります。さらに、紫外線を浴びることによって、**皮膚のターンオーバー（新陳代謝）**が乱れ、メラニンの排出が滞ることにより、肝斑が悪化することがあります。
紫外線による影響は、日焼け止めの使用や物理的遮蔽（帽子や日傘など）で防ぐことが重要です。特に、肝斑がすでにある場合、紫外線を避けることが肝斑の悪化防止に繋がります。
②ホルモンバランスの変化
ホルモンバランスの変化も、肝斑の発生に深く関わっています。特に、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンのバランスの変動が肝斑を引き起こす原因として大きな役割を果たします。ホルモンの影響を受けやすい部位に、メラニン色素が過剰に沈着するためです。
妊娠中はホルモンの急激な変化が起こり、特にエストロゲンとプロゲステロンの分泌が増加します。このホルモンバランスの変化が、皮膚のメラノサイトに影響を与え、妊娠性肝斑（通称「マスク・オブ・プレグナンシー」）と呼ばれる肝斑が現れることがあります。妊娠中に発症した肝斑は、産後に改善することもありますが、紫外線の影響を受けると、治療が難しくなることもあります。
経口避妊薬やホルモン療法を使用することも、肝斑の発生を助長する原因となります。ピルに含まれるエストロゲンやプロゲステロンが皮膚に影響を与え、肝斑の色素沈着を促進します。ホルモンバランスの変化により、特に顔の中心部に色素が集まりやすく、肝斑が現れることがあります。
更年期を迎えると、ホルモンバランスが大きく変動し、エストロゲンの減少が皮膚に影響を与えます。エストロゲンは皮膚の健康を保つ重要なホルモンであるため、その減少により肝斑が現れることがあります。更年期においても、肝斑の治療や予防にはホルモンの調整が必要になることがあります。
③遺伝的要因
肝斑の発生には遺伝的要因も関与しています。特に、肝斑が家族内で発症している場合、遺伝的な素因がある可能性が高いです。遺伝的にメラニン生成が活発な肌の人は、紫外線の影響を受けやすく、肝斑ができやすい体質を持っています。
遺伝的要因が強く影響するため、肝斑は若年層でも発症することがあり、特に紫外線への暴露が多い人や、ホルモンバランスが不安定な人に見られやすい傾向があります。家族に肝斑が多い場合、その遺伝的要因を引き継ぎやすいことが分かっています。
④その他の要因
ストレスが長期間続くことにより、体内のホルモンバランスが乱れ、これが肝斑を引き起こす一因となることがあります。ストレスによるホルモンの影響が肝斑の発症を助長するため、ストレス管理も重要な予防法となります。
強い刺激を与えるスキンケア製品や、過剰な洗顔は皮膚のバリア機能を弱め、メラニン生成を促進することがあります。特に、肌の乾燥やダメージが蓄積されると、肝斑が現れやすくなることがあります。
肝斑は、ホルモンバランスが不安定な人、特に妊娠中やピルの使用など、ホルモンの変化が起こる状況下で発症しやすくなります。また、紫外線に敏感な肌の持ち主や、遺伝的に肝斑ができやすい肌質の人にも多く見られます。
肝斑ができるかどうかは、これらの要因がどれだけ影響を与えるかによって異なりますが、ホルモンの影響を受けやすい女性に特に多く見られます。
肝斑に私がレーザートーニングを照射しない理由
肝斑に私がレーザートーニングを照射しない理由
当院では、肝斑に対してレーザートーニングを行いません。理由は、レーザートーニングが肝斑を悪化させる可能性があるからです。レーザートーニングは、メラニン色素に対して強いエネルギーを与える治療法であり、肝斑に対しては、治療後に一時的に改善しても、その後、色素沈着がさらに悪化することがあります。
肝斑は、ホルモンバランスや紫外線の影響によって引き起こされるため、レーザー治療による刺激が逆に色素を増加させるリスクが高くなります。従って、肝斑に対する治療法としては、内服薬や外用薬、フォトフェイシャル、ケアシスを優先的に使用します。
肝斑の治し方
肝斑の治し方
STEP1：内服薬（トラネキサム酸）
トラネキサム酸
トラネキサム酸（トランシーノ）は、肝斑の治療において有効な内服薬の一つです。この薬は、メラニン生成を抑制し、肝斑の改善に寄与します。また、抗炎症作用があり、肝斑が悪化するのを防ぐ効果も期待できます。内服薬で肝斑の色素が薄くなることで、治療効果が実感しやすくなります。
STEP2：外用薬
ハイドロキノン
ハイドロキノンは、メラニン生成を抑える強力な美白成分です。肝斑治療においては、外用薬として使用されることが多く、一定の効果が確認されています。ハイドロキノンは、皮膚の色素沈着を改善するために非常に有効ですが、使用には医師の指導が必要です。
STEP3：フォトフェイシャル
フォトフェイシャル Stellar M22
単一の波長で照射するレーザー治療とは違い、IPLという幅広い波長の光を照射することで、シミ、くすみ、赤ら顔、小じわ、毛穴の開きなどさまざまなお肌のお悩みを改善させる美肌治療器です。
フォトフェイシャル Stellar M22の特徴
- 9種類の波長（うち3種類は国内未承認）で
お肌のお悩みに合わせた治療 - 均一な出力で照射できるので安全で効果の高い治療
- コンタクトクーリングにより安全で痛みの少ない治療
STEP4：ケアシス
ケアシス-S
ケアシス-Sは、皮膚との接触面を45°Cから－20°Cまで調節することができるエレクトロポレーションを採用しています。短い電気パルスを流すことにより、数秒～数分間角質細胞の細胞膜に電気的な「穴」を開けた状態にし、その時間内に薬剤を肌の奥まで導入する治療です。
ケアシス-Sの特徴
- 痛みや治療後の赤みといったダウンタイムがない
- 高分子の薬剤を、注射を用いずに浸透させられる
- 施術時間は10～15分と短時間で完了できる
肝斑の治療の流れ
肝斑の治療の流れ
- 1 洗顔
- まずはメイクを落として洗顔していただきます。
- 2 肌診断装置による撮影
- 目には見えないシミなどを詳細に確認するために、re‐Beau2（肌画像診断器）を使用してお肌の状態を撮影いたします。
-
3
カウンセリング・
ダーモスコピー検査 - お肌の悩みやご希望を詳細にお伺いした後、肉眼では確認できない病変がないか検査いたします。施術の注意点やアフターケアについてもご説明しますので、ご不明な点や不安なことがあれば遠慮なくご質問ください。
- 4 施術
- シミの種類や原因に合わせて、各美容機器による施術を行います。施術時間は5～10分程度です。
- 5 アフターケア
- 施術後はクーリングを行います。また、気になることや症状がありましたらお気軽にご相談ください。
肝斑治療の費用
肝斑治療の費用
| 範囲 | 回数 | 費用 |
|---|---|---|
| 顔全体 | 1回 | 27,500円 |
| 5回 | 110,000円 | |
| 額以外 | 1回 | 22,000円 |
| 5回 | 88,000円 | |
| 両頬 | 1回 | 16,500円 |
| 5回 | 66,000円 |
※表示金額は全て税込みです
※その他の範囲でも可能な場合はありますので適宜ご相談ください
| メニュー | 範囲 | 費用 |
|---|---|---|
| 成長因子、トラネキサム酸、ヒアルロン酸、プラセンタ、ビタミンC、E | 1回 | 9,900円 |
| ほかの施術との併用 | 7,700円 | |
| グリシルグリシン | 1回 | 7,700円 |
| ほかの施術との併用 | 5,500円 |
※表示金額は全て税込みです
お支払方法
当院では、下記のお支払方法が可能です。
現金でのお支払い
※自費診療・一括または分割
VISA／Mastercard／JCB／AMEX／Diners／DISCOVER
準備中です
低金利分割払いでの
お支払い
肝斑に関するよくあるご質問
肝斑に関するよくあるご質問
肝斑にレーザーを照射すると悪化するのは本当ですか？
はい、レーザー治療は肝斑を悪化させる可能性があります。特に、レーザートーニングは肝斑に対して逆効果となることが多いため、当院では行いません。
肝斑はどうしたら消えるのですか？
肝斑の治療には、内服薬（トラネキサム酸）や外用薬（ハイドロキノン）、フォトフェイシャルを使用します。これらを組み合わせることで、肝斑の色素を薄くし、改善することができます。
肝斑とそばかすの違いはなんですか？
肝斑はホルモンの影響を受けやすく、左右対称に顔の中央に現れる特徴があります。そばかすは遺伝的な要因と紫外線によるものが主な原因です。
肝斑はコンシーラーで隠せますか？
肝斑はコンシーラーで一時的に隠すことができますが、治療により根本的な改善を目指すことが重要です。
肝斑は皮膚科で治療するのがよいですか？
はい、肝斑は専門的な治療が必要です。皮膚科では、正しい診断と治療法を提案できるため、医師による治療が最適です。
肝斑治療の注意点・リスク・副作用
肝斑治療の
注意点・リスク・副作用
・施術部分をケガしている場合は、治療できない可能性があります。
・妊娠中若しくは授乳中のかたは、治療できない可能性があります。
・皮膚に炎症がある場合は、治療できない可能性があります。
・やけど、瘢痕、水疱形成、色素沈着、ケロイド、紫斑形成、硬毛化などの症状が現れる場合があります。すぐにご相談ください。